第5回 採点基準を把握しよう②
前回は,作文の内容に関する採点基準①~⑤を紹介しました。今回は,表記(正しさ,美しさを含む)に関する採点基準を紹介します。内容に関する基準がやや抽象的であるのに比べ,表記に関する基準は具体的で,チェックポイントがはっきりしています。そのぶん,採点基準を知っていれば,対策を立てやすい項目でもあるのです。以下が,表記に関する標準的な採点基準①~⑥です。
① 誤字・脱字はないか。
「成績」を「成積」,「授業」を「受業」と書くなどの誤りには,くれぐれも注意しましょう。
② かなづかい・送りがなは正しいか。
普段から,習った漢字は送りがなを含め,きちんと書けるようにしておきましょう。かなづかいも同様です。「特ちょう・抽しょう」など,漢字とかなの「混ぜ書き」も避けましょう。どうしても正しい表現や漢字が思い出せない場合は,他に言い換えられる同意表現がないかを考えましょう。
③ 句読点の打ち方は正しいか。
読点(、)を適切に打って読みやすい文章になるよう心がけましょう。読点は,条件節のあとや,接続詞・感動詞のあと,対等な語句が並ぶ場合,誤読のおそれのある場合など,使い方に決まりがあります。国語の便覧などで復習しておきましょう。
④ 文体は統一されているか。
常体(「だ・である」体)か敬体(「です・ます」体)のどちらでも構いませんが,最初から最後まで文体は統一して書きましょう。
⑤ 文字は丁寧に書いているか。
当たり前のことですが,漢字の書きとりと同じくらい,大きく,濃く,丁寧な字で,一点一画,楷書できっちりと書くことが大切です。略字は避けましょう。
⑥ 原稿用紙の使い方は正しいか。
第1回の「作文に強くなろう!」で紹介しました。こちらも,国語の便覧などで再度復習しておきましょう。
最後に,字数について。作文原稿用紙があと2,3行になったら,表現などを工夫しながら書き進め,できるだけ最後の行に文章を収めましょう。高校ごとに違いはありますが,字数が少ない場合,空欄1行ごとに1点減点などとなります。逆に,推敲して語句を書き足す場合は,指定された字数を超えてしまわないよう注意しましょう。字数オーバーも減点の対象となります。
添 削
次の文章はよく書けていますが,直すべき点もあります。
私が添削したものを紹介します!
あなたならどのように直しますか?

先生,添削(てんさく)って何ですか?
文章を直すことですか?
そうです!
添削とは,文章をけずったり書き加えたりして何度も練り直し,いっそう良くすることです!

