復習のプロフェッショナルになろう(第1回)
はじめに
「復習」をテーマにした特集を3回に分けて取り上げます。模擬テストを受験したあとの復習が重要であることは,皆さんはご存知でしょうか。模擬テストが終わったら,一息つきたくなる気持ちもあるかもしれませんが,なぜ模擬テストが終わったあとに,同じテストを使って勉強をする必要があるのでしょうか。
この特集を読むことで,そんな疑問が解消され,「復習しなければ!」という気持ちになるかもしれません。今回は,五ツ木の模擬テストを受けたあとの「復習」について,以下の3つのテーマで解説します。
「1.なぜ復習が必要なのか」「2.間違いには種類がある」「3.模擬テストの復習が特に大事な理由」
なぜ復習が必要なのか

あなたの「復習」を振り返ってみよう
あなたは今まで「復習」の大事さについて,学校や塾の先生から説明を受けたことがあるかもしれない。でも,そもそも復習って何をするんだろう?なんとなく,「復習は大事」とは思っていても,自分以外の人はどうやって復習しているのだろう?ここで2つ質問があるから,まずは,あなたの「復習」について,かんたんにイメージしてみよう。
質問1)あなたは復習をしっかりやっている?
(しっかりやっている ・ ふつう ・ あんまりやっていない)
質問2)「復習をしなさい」と言われたら,あなたはどんなことをやっている?
・教科書や参考書を読む
・授業ノートを見る
・わからないところを先生に質問する
・問題集を解く
・自分で問題を作って解く …
復習について,自分がどのようにやっているか,イメージは持てたかな。
わたしたちはなぜ復習するの?
復習のイメージをもったところで,1つクイズだ。
クイズ)なぜ「復習」をするのですか?

このクイズの答えは,ずばり「人は忘れる生き物だから」。人が忘れるのは様々な研究で明らかになっていることだ。続いて質問だ。
質問3)学校で受けた最近のテストで,まちがえた問題をおぼえていますか?
この質問に答えられた人は,相当復習ができている。この質問に答えられなかった人は,復習をする価値があるということだし,そもそも,人は忘れる生き物だから,心配することはまったくないので安心してほしい。
では,どうすれば学んだことを覚えられるのだろう?
その答えはくり返し学ぶこと。
例えば,分母が違う分数の和を求めるためには,小学校で学んだ「通分」の仕方を知っていないといけないけど,それは,これまでにあなたが何度も,そしていろんな場面で「通分」について問題を解き,くり返し学んできたからだ。結果,分母の違う分数の和を求めることができるようになったし,中学1年生で負の数や文字が入っても,同じように考えられるようになった。わざわざ通分のことを思い出すために,小学校の教科書やノートを見なくても,できるようになったはずだ。
通分を例に説明したが,復習をして,教科書やノートを見なくてもその知識を活用できる状態をめざそう。
入試の直前には,中学3年間で学習する内容について,教科書やノートを見ずに,思い出し,その知識を活用するレベルにしなければ,合格が難しい,ということだ。復習はそのために行うということを理解しておこう。