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好きこそものの上手なれ


 中学3年生になり,だんだんと焦り始めた4月上旬。それまでは,塾や学校の先生から「やりなさい」と言われてから勉強をしていました。しかし,本格的な受験シーズンを前にして,何もかも受け身な自分から,意欲的に勉強に取り組める自分に変えるべきだと考えるようになりました。そのためにはまず,「勉強を好きになること」が重要だと考えました。好きでなければ継続することはできないからです。

 

 そこで,受験に対する見方を改めて考えることにしました。受験勉強とは,志望校に合格するための過程を指し,これを一般的には苦労や葛藤というイメージにつなげがちです。しかし,受験勉強は,必死に勉強に打ち込めるチャンスであり,未来の自分へ投資をする絶好の機会ではないだろうか,そう考えるようになりました。


 すると,私の勉強の質はみるみる良くなっていきました。学校から帰宅すると,真っ先に机に向かい,ノートを開く習慣ができました。トイレの壁には,数学の公式の覚え方や歴史の年表をまとめた紙を貼り,一分一秒を無駄にしないようにしました。ドライヤーで髪を乾かしながら,参考書を読むことさえありました。努力の結果,模擬テストの成績も順調に伸びていき,このペースだと,第一志望の高校に合格するのも夢ではないと思っていました。


 しかし,夏休みが終わったころから,思うように成績が伸びなくなりました。モチベーションの低下から,好きだった勉強もおろそかになり,動画サイトやテレビを見るのに何時間も費やすことさえありました。他校の生徒の成績が伸びているのを塾の掲示板で知り,やる気を失ったことも多々ありました。


 そんなとき,塾の先生の言葉が私に力をあたえてくれました。


 「受験で合格することがすべてではない。しかし,合格すればこれまで支えてくれたご両親や学校の先生,友達にいちばんの恩返しができる。」


 私の胸が一気に熱くなったあの瞬間を今でも鮮明に覚えています。「合格できたよ。ありがとう。」という言葉を言うために,受験当日までペンを走らせ,勉強に励みました。


 合格発表の日,正直なところ合格できるか不安でしたが,努力してきた日々を振り返ると,自信を持つことができました。


 これから受験に向けて準備をしていくみなさんは,挑戦することに大きな不安を抱えているかもしれません。でも,大丈夫です。みんな同じように不安を抱えているのですから。その不安をバネにして,思いっきり勉強に打ち込んでみてください。そうすれば,勉強の楽しさに気付くことができるはずです。もしも勉強が好きになれたら,あなたはきっと無敵です。どんな困難もクリアしていけることでしょう。私は頑張るみなさんを心から応援しています。志望校の制服に腕を通すその日まで,全力でやり抜いてください。ファイト!!


S高校 O.Aセンパイ

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